FC2ブログ

*All archives* |  *Admin*

2017/06
<<05  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  07>>
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
クランクアップまで待てない 40(最終話)
監督の機嫌も直り名誉挽回はしたが、気になるのは野上の事だ。

「どこに行くんですか?」

横を歩く角田はきっと行き先を知っている。

「謝りにだよ」

無言のまま目的の喫茶店に向かった。

戸惑いながらも店のドアを開ける。店内は客が引いた後なのかカップを片付けている野上だけ。

「いらっしゃいませ」

目があって軽く頭を下げた俺に野上がにっこり笑った。いつも通りに見える彼にかえって戸惑いを覚えると、何を思ったのか急に角田が俺の手を握った。

「宗輔さんは俺が大切にしますから!」

花嫁を貰いに来た新郎のような発言に慌てて「角田!」と制すると、タオルで手を拭いた野上が俺たちの前にやってきた。
「宗輔が選んだんだろう?だったら俺の出る幕はないよ。それに分かっていたしね、宗輔は俺のことを兄みたいにしか思ってないって。それでも俺は良いと思って告白したんだ。好きな気持ちは伝えたかったから」

嫌味の一つでも言われるかと思ったのにやはり野上は大人だ。

「敏郎さん、ごめん」

謝っても野上を傷つけたのは変わらない。

「何でそんなに簡単に諦められるんですか。本気で好きだったんですよね?」

角田の言葉にさすがの野上も困った顔をする。

「宗輔は君と出会って君を好きになったんだ。いくら俺の方が先に宗輔を知っていたとしても宗輔が俺を選んでくれなければパートナーにはなれないだろう?」

寂しそうな声が彼の本心を表していているようにも聞こえたが、野上は俺に幸せになれと言ってくれているに違いない。

「すみません、宗輔さんを貰います」

頭を下げた角田が店を出ようと手を引く。

「エプロン、返さないと」

そのつもりで持ってきたのに渡しそびれたら意味がない。

「それ、次バイトに来る時まで持っていていいよ」

振り返ると野上が苦笑しながら手を振っていた。

「次なんて無いですから!」

角田が苛々しているのがおかしい。

「腹減ったな」

色々巻き込んでしまったが、ちゃんと自分の気持ちに向きあえて良かった。

「飯食べに行くんですよね?早く行きましょう」

行き先は決めていなかったが、考えたのはきっと同じ場所だ。前に連れて来て貰った店、まる福。

タクシーで店の前まで来ると暖簾をくぐった。

「あら、いらっしゃい」

「喜美枝さん、腹減った。適当に出して欲しいんだけど」

「あらあら、そんなにお腹空いているの?」

「撮影が上手く行っててさ、かなり体張ってるから腹減るんだ」

ストーリーは教えていないのか、女将さんが「どんなお話なの?」と聞いてくる。

「恋愛かな?」

「恋愛なのに体を張るなんて、アクションもあるのかしら?」

角田がチラリと俺を見たので顔が赤くなった。

「まあね。宗輔さんと一緒だから」

「良かったわね。でも宗輔君、大変じゃない?誠司君は体が大きいからペースについていくのも」

「へ、平気です」

意味深な発言にあの時の角田を思い出してますます顔が熱くなった。

「はいどうぞ。たくさん食べて精力つけなきゃ」

「やっぱり喜美枝さん分かってるよね。精力つけないとさ」

目の前に料理が並び、角田がさっそく「いただきます」と箸をつけた。

お腹一杯に食べて満足しながらの帰り道、機嫌の良い角田が夜空を見上げながら言う。

「まる福で丸く収まった感じですかね?」

「変なシャレ言ってるな。俺はヒヤヒヤしたんだからな」

「ヒヤヒヤするような事ありました?」

「あ、いや…」

まずかったと視線を泳がせる俺を角田が覗き込む。

「なーんてね。わざと宗輔さんをドキドキさせようとしてました。クランクアップまで待たされるの嫌ですから」

「おまっ…なっ、ちょっと、どこ行くんだ」

建物の影に引っ張り込んだ角田が腰を抱く。

「あの人が言ってました。宗介さんが俺に出会って俺を選んだって」

「それはだな…お前が強引だから」

「俺のこと嫌いですか?」

そんな聞き方はずるい。

「俺は宗輔さんが好きです」

この状況で見つめられたら答えるしかなさそうだ。

「俺だって、お前が…好きだ」

唇が重なり足から力が抜けそうなって角田にしがみ付く。誰かに見られたら困るのに角田のキスは深くなるばかりだ。

舌がヌルリと擦れ合い、呼吸が乱れはじめる。

夢中になっていると、スマホの着信音が響いて慌てて体を離した。電話をかけてきた主は所属事務所の滝川社長だった。

「もしもし、関口です」

「上手く行ったようだな?」

突然そう言われて角田との関係が知れたのかと思い固まった。

「今、藤波監督と一緒に飲んでいるんだ。お前の話は全部聞いたよ。期待に応えることが出来て良かったな」

それを聞いて体から力が抜けたのと同時に伝えなければならない事があるのを思い出した。

「社長には辞めると言いましたが、俺…まだやりたいんです。あれは取り消してもいいですか?」

「何のことだ?」

滝川が笑っている。

「俺、辞めたいって…」

「好きなんだろう?役者が」

「はい、好きです」

「だったら満足行くものを作れ。それだけだ」

滝川は噂通りの敏腕社長だったようだ。

「俺、頑張ります」

「話はそれだけだ。相棒と上手くやれよ」

角田に目をやると、待てをさせられた犬のように大人しく話の流れを聞いている。

「終わったら事務所に顔出します」

通話が切れると名前を呼ばれた。

「宗輔さん、俺がついていますから」

優しい眼差しで見つめられて、自然と腕が彼の首に回る。

「好きだよ、誠司」

照れるがこいつが居なかったら分からなかった。自分は何が好きで何を目指していたのか。

唇を重ねれば応えてくれる。これからもずっと並んで歩いて行けたらいいと思う。

「帰るぞ!身体が冷えたから責任取れよな」

路地から出ると、角田が慌ててついてきた。

「いいんですか?俺、朝まで頑張っちゃいます」

男前なのにそう言う所だけ三枚目な角田が可愛く思える。

クスッと笑った俺の指に彼の長い指が絡められた。

〈END〉

← 前話へ ◆ 次話へ →     

★携帯版目次へ★


終わってしまいましたね。
角田の気持ち、宗輔に伝わりました。
色々ありましたが、ハッピーエンドでひとまずめでたしめでたしです。
40話ってあっという間ですね。
サクッと終わっちゃいました。
この二人のイチャイチャを短編でもいいから書けたらいいなとか。
また別のお話でもいいですけど(笑)
エロが足りなかったかな。
反動でエロまみれな話だったりして(笑)

ランキングに参加しています♪
続きを楽しみにして下さる方は是非お願いします❤

こちらを是非↓ポチっと♪

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村



人気ブログランキングへ

Secret
(非公開コメント受付中)

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
鍵コメMさま
こんにちは。
Mさま、毎度コメ頂きましてありがとうございます!

今回のお話は過去に書き溜めたものを放出させて頂きました。
ちゃんとしたストーリーでちょっとエチ不足でしたかね。

次はこの二人で続編とかいいかもしれないです。
宗輔をGETした角田は本性を現すとか。
もっと独占欲とか出ちゃって宗輔を虐めちゃうとか・・・ライバルとかも出てきて取り合いになるとか?

妄想は尽きないですねぇ。
時間があればバンバンエロ書くんですけど(アハハ

ひとまず終了で、ホッとしております。
またUPした時には読みに来てくださいね❤

ありがとうございました!!
お疲れ様です。
こんばんは、なかなかコメントできなくてごめんなさい。
ちゃんと読んでました。
最近の佐久良さんのお話に慣れてきていたので、ちょいと物足りなさを感じました。もう少し、出会いの後のストーリーが深いと良かったかな?
ちょっと浅すぎた感じがしました。辛口ですみません。
ですが、エロが少ないだけに、キスシーンにキュンとさせていただきました。
エロが少ないと、意外と何気ないシーンにドキドキしたりするんですよ。
でも、佐久良さんと言えば、がっつりエロシーンも持ち味の一つですからまた、それも楽しみにしています。
新年度新学期は、色々と忙しいですよね、無理せずにまた作品舞っていますね~~(⋈◍>◡<◍)。✧♡
Olailaさま
お久しぶりですね、Olailaさま。

読んでいただけました?
これって、出さないでしまっておいたものなのでどうしようかと思ったんですが。
でもせっかくだし読んで下さる方がいればと思って。

エロが少なかったですよね。
エロがないと普通のしぐさにドキドキします?
確かに、そうかもしれないです。

っていうか、珍しく邪魔があまり酷いことしてこなかったんですよ??(なんじゃそりゃって??

いつもなら誰かに弱みを右られて何かされたりとか、結構酷い目に合うんですけどね、主人公。
でもそれもそんなにいうほどでもなかったというか、女子に言われてただけでしたけどね。
あとは自分の勘違い!!

またガッツリ深いやつも書きたいです。
っていっても、なかなか時間とれないのでトホホなんですけどね。

早くこのお話の続編が書きたいんですけど。
不発だったエロをてんこ盛りで(爆笑

最後までお付き合いくださってありがとうございました。
またUPした時に読みに来てください❤

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
ますみ様
ますみ様、こんにちは~♪
コメント頂けてうれしいです❤

本当、お久しぶりですね。
一つ終わるとホッとしてまた仕事に戻って・・でも書きたいなぁと思って頭の中は色々グルグルしてます(笑

アジサイの季節ですよねぇ。
うちの玄関の花壇にもアジサイがあって咲いています。
紫色なんですけど、綺麗に咲いてますよ~!

寺島、梶・・のお話ありましたね。
あはは、結構エロいやつ。

ラブラブですからいいんでしょうか。
鎌倉のアジサイ寺とか毎年TVの話題になってますけど、行った事が無くて(汗
確かに梅雨入りしても雨あまり降ってないですね。

これから沢山降って夏が遅く来たりして(苦笑
自分的には夏は大好きなので梅雨は早く明けてほしいですが・・・水不足になっても困りますからね。
夜中のうちに降ってくれるとうれしいです(^^

今は前回の「クランクアップまで待てない」の続編でもと思ってまして・・・ちょこっとずつプロット立てたりして。
あ、でもいつ連載始められるのかはまだわかりませんけど(苦笑

最近エロが少ないのでもうちょっと乱れた感じのを書きたいなと。
またUPした時には読んでやってください<(_ _)>

ますみ様も梅雨に負けず頑張ってくださいね(^v^

コメントありがとうございました。


プロフィール

佐久良 ゆう希

Author:佐久良 ゆう希
性格:明朗活発 ノー天気 観察好き

男前の江戸っ子。ヘタレ好きだが実を言うと自分がヘタレかも。 

オリジナルBL連載小説(オンライン携帯小説)です。

18禁表現(性的描写)がございますので、年齢に満たない方や表現が苦手な方はご注意ください。

能天気の割に凹んで書けなくなります(笑)
応援して頂ける方は、読み終わりましたらポチっと宜しくお願いしますm(__)m

かなりリアルな同性愛&性描写がありますのでダメなかたはご遠慮ください★

著作権は放棄しておりませんので、ここに掲載されている文章の無断使用、無断転載などはお断りいたします。

リンク
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
◇ 目次一覧 ◇
お勧めコミュニティ↓
最近のコメント
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

最近のトラックバック
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

色々な作品がありますので、気になったら読んでみて下さい。
罪の代償(目次用) LOVE表紙      ラブ・トラップ(目次用2) ラブ・トリップ(目次用)

同性愛 18禁 性描写 恋愛小説 BL小説 BL小説 

最近の記事+コメント
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
アクセスカウンタ
PVアクセスランキング
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。