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2017/08
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クランクアップまで待てない 12
役作りの為に恋人を装っているだけだと分かっているのに、男の角田が気になるなんてどうかしていると思う。

「お前さ、それより何で今ここにいるんだよ」

「宗輔さんの気が変わらないうちにと思って」

今日は色々あって疲れていたからゆっくりしたかったのに駄目そうだ。

「風呂入る」

のしかかっている角田を押しやり下から這い出ると、頭を掻いた。

「弁当買ってきました。メシ、まだですよね?」

立ち上がった角田が大きなスポーツバックの横に置かれたビニールを掴みテーブルに置く。それを見て腹がグゥと鳴った。

「ほんと気が利くよな?お前」

むすっとしながら言うと、「お前、じゃなくて、誠司です」と角田が訂正しながら弁当を寄こした。

「それ、呼ばなきゃ駄目なのか?」

「当たり前です。クランクアップまで宗輔さんとは恋人同志なんですから。普段から愛し合う設定でいかないと演技がスムーズにいかない。藤波監督はリアルにこだわる人ですから」

一緒に買ってきたらしいペットボトルのお茶を渡された俺はキャップを捻ってそれに口をつけた。
「せ、誠司はあんなシーンをやるのに抵抗は無いのかよ?俺は、ドラマですらキスシーンなんて無かったし」

「抵抗なんて無いですよ。いい作品を作りたいし、宗輔さんが相手なら臨むところです」

「やっぱり、誠司は沢山経験ありそうだもんな?濡れ場だって全く問題無しなんだろう?」

弁当を摘まみながら話す内容では無いが、聞いてみたかった。

「経験はそれなりには有りますけど。でも、今回の宗輔さんとの絡みは別なんです」

そりゃそうだろう。男と絡むなんて、恐らくこんな映画を引き受けなかったら無かった筈だ。

彼がしてきたであろう恋愛とは別扱いされて何だか気分が落ちてきた。

振られたような気持ちでいると、角田が「あれは!?」と素っ頓狂な声を上げたので箸を落としそうになる。

「ビックリするだろう。どうかしたか?」

視線の先には以前出演したドラマの告知ポスターが貼ってあった。
初主演だったから記念に貰ってきたもので、終わったにも拘らず剥がせないでいたものだ。

「あの時のですね?毎日見てました。録画、まだとってあります。熱血営業マン役の宗輔さん、凄く良かったですし」

褒められたら嬉しくないわけがない。

「そ、そうか?そんな風に言われると何だか照れるよな」

「恋愛場面もありましたけど、彼女とは上手くいきませんでしたね」

スクスク笑われてムッとする。

「あれはそう言う脚本なんだから仕方ないだろう?」

口を尖らせた俺に「怒らないでください」と角田が宥めにかかる。

食べ終えてお茶を飲んでいると、同じく片付け始めた角田がスポーツバックを手繰り寄せた。

「風呂入るんですよね?だったら背中流します。これから暫く泊めてもらうんですから、それ位はさせて下さい」

聞いた俺は慌てて返事をした。

「いや、遠慮する。風呂はひとりでのんびり入りたいし」

ゴミを片付けながら「先に入っていいから」と促すと、角田は仕方なく立ち上がった。

「そうですか。じゃあ、お先に」

狭いアパートだから風呂場は案内しなくてもすぐ分かる。脱衣所も洗面所と一緒だ。

流しの方に行けばそこから着替えが見えてしまうので今はそっちに行けない。

「あの体で、うちの風呂じゃ狭いだろうなぁ」

テレビを見ながら角田の事を考え、つい裸を想像してしまった。

バランスの取れた身体はただひょろっと背が高いだけじゃない。男らしい肩幅も腕も羨ましいくらいだ。

(俺が女だったら、抱きしめられたいとか思っちゃってる?)

「ばっ、俺、何考えて…。それより先に布団でも敷くか」

隣の部屋に行くと重大なことに気が付いた。うちには布団が一組しかないことに。

「どうする?二人でなんて、ヤバイ…よな」

毛布が余分に有るのでそれを使えばひとまず何とかなりそうだが、春先のこの季節はそれだけじゃまだ寒いだろう。

布団を敷きながら明日にでも買いに行こうと決め、暫くテレビをぼんやり見ていた。

「宗輔さん、風呂空きました」

呼ばれてそちらを見ればTシャツにスエット姿の角田が立っていた。髪が濡れているからまた違って見える。

年下のくせに大人びているのもあり、男の色香を放ちまくりだ。

無造作な髪型が余計にそう見せているのか、またドキドキしてきた。

「い、今入る」

目が合うと顔が熱くなって、慌てて風呂場まで歩いて行った。


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急に泊まりに来た角田に動揺しつつも世話を焼いちゃうあたりが宗輔らしいですが。

意識し始めてますよ!
恋人役がいつか本当の恋人になりたくなっちゃうんでしょうか。

まずは布団という難関を超えなくちゃ(笑)
そう簡単には進まなさそうですけどね。

ポチありがとうございます。
皆さんの応援できっと宗輔も頑張ってくれると思いますが、前途多難かなぁ(笑)


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佐久良 ゆう希

Author:佐久良 ゆう希
性格:明朗活発 ノー天気 観察好き

男前の江戸っ子。ヘタレ好きだが実を言うと自分がヘタレかも。 

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能天気の割に凹んで書けなくなります(笑)
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